理想的な敷き寝具の条件

(千葉工大の小原二郎博士(人間工学の権威)による)

 

下記の図は人が横になったときどの部分に全体の体重がどのような割合でかかるかを示した図です。

体重(体圧)が大きく分散されていることが解ります。

この体圧の分散から”理想的な敷き寝具の5つの条件”

  1. 正立した姿勢の保持が良い
  2. 体圧が局部に集まらず全体に分散する
  3. 体が沈まない程度の硬さがあり、寝返りがうちやすい
  4. 発汗を妨げず、吸湿性が良いこと
  5. 適度な保温性がある

 

 正立=正しい姿勢での立姿

寝姿勢と正立姿勢は同じ形です。

 寝た時に正立姿勢と同じ姿になるような寝具が求められます。

体圧がかかる量が場所によって違います。

柔らかい寝具では”2”のように一番重たい部分に体圧が集中してしまいます。

仮に体圧が理想的に分散されたとしても、適度な硬さが無いと”3”の寝返りがうちにくくなります。

 

人は一晩で30回以上寝返りをすると言われています。

寝返りは筋肉の疲れをとるため、うっ血を防ぐため睡眠中の体への圧力を一カ所に集中させないため、

また寝床内の湿気や温度をコントロールするために行われます。

この寝返りが自然に行えることが理想です。

 

  • 硬すぎる、柔らかすぎる寝具
  • 熱がこもる、逃げすぎる寝具、
  • 湿度がこもる、逃げすぎる寝具、

いづれの寝具も適度な寝返りがうてないで寝にくい=

体と脳の疲れがとれない、寝にくい寝具となります。

 

これらの異なった(矛盾した)条件を満たすためには

敷き寝具の構造が複層が良いと言われています。

1層目は適度にやわらかく吸湿性があり保温性が良いこと、

2層目は体を支えるだけの硬さがあること、

 

もうひとつ大切なことは人は一晩にコップ一杯分の汗をかくといわれています

特に敷き寝具は汚れやすいです。

敷き寝具を洗うことのできることが非常に大切です。

 

以上のようにベッドマットの上にベッドパッドを用いることはきわめて理にかなっています。

”体圧分散で体をささえる”目的はベッドマットで行い

”適度にやわらかく吸湿性があり保温性が良い”目的は綿量の多いベッドパッドで補います。