1889(明治22)年に日本で初めての木材パルプ工場が気田(けた)(現:天竜区春野町気田)に建設された。気田が選ばれた理由としては、原料となるモミやツガの原生林があったことや、材料や製品の運搬に便利な気田川が近くにあったこと、そして、その気田川の水力を活用できたことなどが挙げられる。
1910(明治43)年に苫小牧工場が建設されるまで、気田工場は王子製紙の主力であり、最盛期には300名以上もの従業員がいたが、原木をほとんど伐採し尽くしてしまったため、1923(大正12)年に閉鎖となった。
工場閉鎖後、水路と工場敷地の一部は気多村に寄付され、1棟1棟と失われていった。そんな中、この製品倉庫はほぼ完全な姿で残され、その後、学校の講堂や図書室、農業協同組合の事務所などを経て、1999(平成11)年から木材パルプ資料館として公開されていた。しかし、それも2011(平成23)年3月をもって閉鎖された。
製品倉庫前には「木材パルプ発祥之地碑」が建てられている。(はままつ情報BOXより抜粋)
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