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ウールの特性

ウールの特性

 ウールが暖かく感じられるのは、ウールがたくさんの空気を含んでいるからです。

 その量は全体の60%にもなります。冬ウールは空気の層で暖かくつつみます。

 ウールは吸湿性が高いため空気中の湿度を吸収してその際に多量の熱も発散します。

夏涼しい繊維

 夏はその多量に含んだ空気の層が夏の暑さを遮断する働きをします。

 夏はウールの放湿性が湿度を放出することで熱を取る働きをします。

 ちょうど汗が蒸発するときに熱を奪うことと同じ働きです。

燃えにくい繊維

 ウールを燃やすと、毛髪や羽毛と同じように特有に臭気を発して燃えますが、炎から放すと一本一本の端に黒い球ができて、燃えるのが止まります。

 

このウールの特性を引き出すのが、ウールの一本一本の表面のスケールといわれるうろこのようなものです。

このうろこが開いたり閉じたりして湿度をコントロールします。

下の写真はディラン加工したウールの加工前と後です。

 

 

ディラン防縮加工は:ウールの特性のスケールを残してご家庭でお洗濯できるようにしています。

 

このウールの特性を残しているかどうかが重要なポイントです。

 

デュラン防縮加工
デュラン防縮加工前と後の比較
デュラン防縮格好

天然繊維、動物性繊維の特色が夏涼しく、冬あたかたいという特性を生み出します。

 

ふだん何気なく便利に身の回りで使っているウールその特性は

・クリンプス 毛がコイル状に巻いていて根元が太くて先が細くなっています。

・表面にうろこ状のスケールがありこのスケールが開いたり閉じたりして湿度をコントロールします。

 水分を多く含みことができる。(公定水分率が高い)

 スケールのために毛が絡みやすくフェルト化(毛が絡まって固くなる)や毛玉の原因になる。

・動物性のたんぱく質で燃えにくく、染料に染まりやすい。たんぱく質なので酸に弱い。

・動物性繊維で日光にあたると黄変する。(日焼けする)

・熱の伝導率が低い。

・抗菌・消臭機能、空気清浄化作用。


ウールの特性で生まれる商品特性

・弾力性が生まれます。

  このクリンプが弾力性を生みます。

しわになりにくくなります。

・保温性、吸湿性が生まれます。

   クリンプスで糸にふくらみができ、そのふくらみの間に空気を含みます。

湿度が多いと開き=水分を吸収し

湿度が少ないと閉じ=水分吸収を防ぐ

 

この作用で冬は暖かく、夏はさらっとして涼しく感じる作用があります。

 

・水分を含んだまま固めるとフェルト化します。

  水分を含むとスケールが閉じてこの状態で毛をこする(こねる)とフェルト化して 毛が固まります。

  洗濯後脱水したまま放置しり、タンブラー乾燥したりすると縮む原因となります.

 

 

天然繊維、動物性繊維が夏涼しく、冬あたかたいという特性を生み出します。