ウールの特性

ふだん何気なく便利に身の回りで使っているウールその特性は

  • 吸湿性と放湿性の真逆の性質を持ちます。
  • クリンプと呼ばれる縮れで空気を60%以上含みます。
  • 繊維が30%以上も伸びてもとに戻ります。スプリング性
  • 表面にうろこ状のスケールが開いたり閉じたりして湿気をコントロールします。
  • 毛が絡みやすくフェルト化(毛が絡まって固くなる)や毛玉の原因になる。この特性を利用してウールフェルトを作ります。
  • 難燃性
  • 染色性 染まりやすい。
  • 抗菌・消臭機能、空気清浄化作用。
  • 静音性 ウールは 音を吸収して、多くの化学繊維に起こるカサカサ音がありません。
  • 紫外線からの保護

ウールの特性で生まれる商品特性

  • 弾力性が生まれます。

クリンプスが弾力性を生み、しわになりにくくなります。

  • 保温性、吸湿性が生まれます。

クリンプスで糸にふくらみができ、そのふくらみの間に空気を含みます。

スケールは湿度が多いと開き=水分を吸収し湿度が少ないと閉じ=水分吸収を防ぐこの作用で

冬は暖かく、夏はさらっとして涼しく感じます。

  • 水分を含んだまま固めるとフェルト化します。

水分を含むとスケールが閉じ、この状態で毛をこする(こねる)とフェルト化して毛が

固まります。

そのため洗濯後脱水したまま放置しり、タンブラー乾燥したりすると縮む原因となります。

毛玉になるのもこのためです。

 

【ウールは夏涼しく、冬暖かい繊維】

ウールは、1本1本の繊維がくるくる縮れています。クリンプと呼ばれるこの縮れのおかげで、ウール製品は、約60%もの空気を含んでいるのです。乾いた空気は、断熱性のもっとも高い物質。だから、ウールの衣服を着ていると、冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができます。

合繊のような吸湿性の低い繊維だと、いくら空気を含ませるようにつくっても、ウールのようなふっくらした風合いや断熱効果は、あまり期待できないのです。

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【ウールは優しい天然素材】

たとえば赤ちゃんのやわ肌を、ふっくらとあたたかく包み込むのに最適な素材といえば、

やっぱりウール。

それは、ウールが自然の恵みをたっぷりもって生まれた天然繊維だから。

生きている繊維だからこそ、繊維自身が呼吸していたり、湿気などをうまく調節する機能を

もっていて、やさしく心地よい肌ざわりを生みだしてくれるのです。

ケンブリッジ大学では、ウールのやさしさが未熟児の生育を早めるといった研究結果を発表しています。

赤ちゃんの産着やご高齢の方のウェアや寝具にウールを選んであげたくなるのも、かけがえの

ない『やさしさ』からなのですね

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【生まれながらの抗菌・消臭繊維】

人間や動物の皮膚は、ウイルスや細菌などが侵入してくると、それを無害で無毒なものにする

免疫機能をもっています。

ウールとは、もともと羊の皮膚が変形して生まれたもの。最近の研究によって、ウールにも、

羊の生命を守るための免疫機能が備わっていることが

わかってきました。生まれながらにして細菌に対する抗菌機能や消臭機能をもっている天然繊維=ウール。直接肌に触れる肌着や寝具などにぴったりの素材といえそうですね。

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【ムレたりジメジメしないさわやかな繊維】

表面は水をはじくけれど、内部は湿気をたっぷり吸いとる・・・ウール は、そんな不思議な性質をもっています。ウールの吸湿力は、標準 状態で綿の約2倍、ポリエステルの約40倍。だから、ウールの衣服 や寝具なら、汗をかいてもムレたりジメジメしたりせず、梅雨時の むし暑さもサラッとさわやかに過ごせます。ウールが燃えにくいのも、 きれいに染まるのも、汚れにくいのも、すべてウールのこんな性質の おかげなのですね。

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【汚れにくい繊維】

ウールの表面は、とても撥水性の高い物質でおおわれています。 だから、汗などの湿 気は繊 維内部に吸収するけれど、雨などの 水滴は表面ではじいてよせつけません。ウールの衣服を着ていると、 小雨ぐらいでは濡れないのは、こんなすぐれた性質のおかげです。 また、泥などの水溶性の汚れは、繊維表面で水分をはじくので、内部 まで滲み込みません。ウールは汚れにくく、しかも汚れが落ちやすい クリーンな繊維といえるでしょう。さらに、ウールは静電気が起き にくいので、チリやホコリもよせつけません。

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【お部屋の空気をきれいにする繊維】

いま、新建材や家具などから発散される有害化学物質が問題に なっています。とりわけ発ガン性のあるホルムアルデヒドの被害は 深刻。そこで、お部屋のなかにウールの登場です。ウールには、これら の化学物質を吸着し、無害なものにする働きがあることが 実証されました。化学物質をしっかり吸着して、空気を浄化。しかも、 一度吸着したら、科学的に結びついて外部に放出しない・・・だから、 お部屋にウールのカーペットを敷くことは、天 然 の空気清浄器を備えることと同じになるのですね。また、ソフトタッチのメリノカー ペットをご使用になれば、お部屋の浄化効果とともに、暮らしがふんわり快適になります。 

(ウールマークミニ事典より抜粋)

 

【環境にやさしい繊維】

地球環境の保護が問題となって久しい現代。もはや、ダイオキシンが 発生するようなもの、環境ホルモンを含んだ製品、自然の生態系を 乱す原因となるような物づくりは 許されないでしょう。ウールは、もちろん生粋の自然素材。19種類のアミノ酸配列を基 本とした タンパク質でできています。だから、廃棄されると、土壌中の微生物 によって完全に生分解され、土に還ります。この特徴を生かして、 ウール・エコサイクル・プロジェクトという新しい試みがスタート。使用 されたウールマーク製品をさまざまな形でリサイクルし、再び有効 に活用するシステムづくりに取り組んでいます。

(ウールマークミニ事典より抜粋)

燃え広がらない繊維

羊毛は繊維素材の中でも、燃えにくい素材として、昔から軍服、警察制服、消防士、学生服など肌への保護用素材として利用され、現代では宇宙飛行士、レスキュー隊、F-1ドライバーなど、炎にさらされる危険性の高い人々にも使用されることがあります。

 

ポリエステル/アクリルは、おおよそ240~300度で溶解し、肌に付着すると大火傷をします。

羊毛の発火温度は600度近くと燃えにくく、部分的に燃えても黒く焦げてサラサラの灰になり、それ以上燃え広がらず、溶けないので火傷も起こりにくく、有害物質の発生も少ないのです。


複雑なウールの構造
複雑なウールの構造